こんにちは、中島です。
皆さんは「飛び出し坊や」というものをご存知でしょうか?
早い話が、↓の写真みたいに子供が飛び出した形をした構造物のことです。
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その主目的は「通学中の子どもたちを自動車などの危険から守る」こと。
学校の周りや交差点などであえて目立った色で飛び出すことで、運転手に対し注意喚起しているわけですね。その起源は明らかではありませんが、道中の無事を祈ったお地蔵様にルーツがあるかもしれないと私は考えています。
材質はベニヤ板だったりプラスチックだったりしますが、こちらはかの「ゆるキャラ」提唱者であるみうらじゅん氏が「0系」と命名したデザインのもの。一体6000円程度でホームセンターに売ってます。
私の地元・滋賀県ではどういうわけか、半世紀近くも前からこの飛び出し坊やを各所に配置する活動が日常的に行われています。しかも個人で数体配置するという小規模なものよりも、小学校の学区全体に数十体の飛び出し坊やを配置するという地域ぐるみの活動であることが多いです。
ただ、道路のあちこちに配置するのに一体6000円もかかってしまうのは大変です。PTAで毎年そんなに予算が出るわけありません。「それならば自分たちで作ってしまえ!」と考えたのかどうかは知りませんが、どんどん自作し設置していった飛び出し坊やがこちら↓
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上の「0系」からほんの数百メートル離れたところにいました。
飛び出し坊やとしての原型はとどめているものの、顔色は真っ白だし表情は手書きだし輪郭も「0系」に比べるとなんだかふわふわしています。多分、手作業でベニヤ板を切り出したからでしょう。そしてこの風化具合。子どもたちの安全を願いつつ、風雨に耐えてきたからこそ出せる味があります。
そんな味のある飛び出し坊やを私は数百体も写真に収めてきました。今も知らない街に出かけるときはついつい飛び出し坊やを探してしまいます。

さてこの飛び出し坊や。私の地元ではごく普通に見られる存在で、子供時代は目にしない日はなかったくらいなのですが、他所ではそれほど一般的ではないということを大人になってから知りました。(前述のみうらじゅん氏は京都出身ですが、京都には飛び出し坊やがあまりいないため、わざわざ隣県である滋賀まで出かけて調査・収集したと言ってます。)自動車でドライブしていると、特定のエリアで固まって見つけることが多いです。これはその地域のPTAが意識的に飛び出し坊やを設置する活動をしているかどうかに起因していると思われます。つまり地域によって「すごくいっぱいいる」か、「全然いない」かの温度差がとても激しいということです。

それでは関東には飛び出し坊やはいないのかというと…。
↓いました!
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撮影したのは渋谷区。
人型はしていませんが、たしかに飛び出し坊やです。PTAが設置したわけではなく、交通安全を喚起しつつお店の広告も兼ねるというハイブリッド仕様。絵柄や書体の古さからして20年は経ているであろうビンテージ感がたまりません。
ちなみに寄贈元のペットサロン・モントゥトゥさんは今なお原宿で経営されているようです。今もこうして交通安全を訴えてるなんてエライ!

↓さらにこちらは港区が公式に設置したものであろう飛び出し坊や。
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「坊や」というよりはただのシルエットになってしまっていますが、飛び出し坊やであることは間違いありません。都会の人たちも交通安全に対する意識は高いようで、なんだか安心です。

↓そしてこちらが高津区の久地小学校近辺にて発見したもの。川崎にもきちんと存在していたのですね。
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「久地小PTA」の記載で誰が設置したのか一目瞭然。コンクリートの重りをつけるなど、なかなかの本格仕様です。ベニヤ板のいい加減な切り抜き方といい、ゆるーい塗り方といい、全体から漂う手作り感が久地小学校PTAさんの交通安全に対する姿勢が見えてくると言えるでしょう。「12A」というのは管理番号でしょうか?だとしたら他にも何十体か存在しているはずです。時間があれば久地小の学区内をカメラを片手に散策したい気持ちです。

↓さらに雪の日に見つけた女の子バージョン。
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誰がつけてあげたのか、かわいい手袋。寒さを少しでも和らげてあげようというやさしさ。もはや日本昔話の「笠地蔵」状態です。お地蔵様とは違って何か恩返ししてくれるとも思えませんが…。

さて、駆け足で飛び出し坊やの魅力を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
飛び出し坊やはもしかしたら皆さんの近くにもいて、日々たたずんでいるかもしれません。見つけた時は、そっと見守ってあげてください。

ご静聴ありがとうございました。

P.S.そういえばみうらじゅんさんは自著で飛び出し坊やをフィーチャーした本を出していました。表紙がとても可愛いと思います。